妊活のこと

男性の「加齢」が妊活に及ぼす影響とは?【医師監修】|ゲンナイ製薬

監修医_産婦人科医-竹内医師

この記事を監修いただいた先生

産婦人科医

竹内正人(たけうち まさと)

1987年日本医科大学卒業、米国ロマリンダ大学にて胎児生理学を学び、日本医科大学大学院(産婦人科学、免疫学)修了。葛飾赤十字産院(1994~2005年)では産科部長として周産期医療に力を注ぎながら、JICA(国際協力機構)母子保健専門家として、ベトナム、アルメニア、ニカラグア、パレスチナ、マダガスカル、カンボジア、ボリビアの母子医療にもかかわってきた。桜川介護老人保健施設・施設長として介護現場を経験、東峯婦人クリニック副院長(2006~2017年)を経て、現在フリーの産婦人科医として地域・国・医療の枠をこえ、様々なプロジェクトを展開している。

「マイマタニティーダイアリー」(海竜社)、「安心マタニティブック」(永岡書店)、「ママのための帝王切開の本」(中央法規出版)、「からだとこころの悩みお助けBOOK」(世界文化社)ほか著書・監修書多数。

男性の加齢と体調も妊娠・子どもの病気に影響します!

男性の加齢と体調も妊娠・子どもの病気に影響します
女性はたとえ健康で、毎月きちんと生理が来ていても、妊孕能(妊娠する力)は年齢に規定されることは、広く知られるようになりました。ところが、男性の妊孕能に関しては、まだよく知られていないようです。
射精さえできれば、いくつになっても子どもは作れると漠然と考えている方も少ならからずいると思います。
ある意味、正解です。すべての女性が閉経となり自然妊娠が不可能な60歳代、時には70歳を過ぎた男性芸能人が子どもを授かったというニュースも時々報じられます。
こうした男性は、確かにいます。それでも、それは例外と考えておいた方がいいでしょう。

女性と男性で妊孕能(妊娠する力)に差があるのはなぜ?

なぜ女性と男性の妊孕能に違いがあるのでしょう?それは、卵子と精子のつくられ方が違うからです。
女性の場合、卵子のもとになる原子卵胞は胎児のうちにすべて卵巣でつくられ、出生後に新しくつくられることはありません。よって、卵子は排卵されるまで卵巣で休眠しています。
ただし、卵子凍結とは違うので、「卵子の老化」と呼ばれるように、時間に応じて卵子の劣化は進みます。
しかも、時間に比例して妊孕能が徐々に低下するのではなく、30歳までは緩やかですが、35歳を過ぎる頃から妊娠率の低下と、流産率の増加が顕著となり、40歳を超えるとそれに拍車がかかります。そして、平均50歳でストックされていた卵子がほぼ消費されて閉経を迎えます。

一方、陰嚢の中にあり睾丸とも呼ばれる精巣では思春期から老年まで生涯にわたり、毎日新しい精子を生成しています。
正常に機能している精巣では、何と1日1億の精子がつくられます。
精子は消費されつくすことがないので、男性には閉経にあたる現象がありません。この違いが、男女の妊孕能、生殖年齢に差を生んでいます。

精子も老化する 新鮮=元気ではない

精子も老化する
成人男性は、毎日新鮮な精子をつくっていますが、いつまでも妊孕能が維持されているわけではありません。通常、50歳代まで妊孕能はありますが、やはり35歳を超えると徐々に低下する傾向にあります。
ただし、女性と比較すると変化は緩やかで、個人差が大きいのが特徴です。加齢により以下の変化がみられます。

  1. 精子数と精液量は減少する
    加齢とともに、1日に作られる精子数は減少するとされています。
    また、卵子へと進む能力とも関係する精液量は20歳から徐々にですが減少していきます。
    ただし、精子数、精液量ともに減ってゆくので精液検査の指標になる精子濃度には大きな変化はないようです。
  2. 精子の質が劣化する
    加齢とともに精子の奇形率は増加し、運動率は減少します。
    また、一見、元気に見えても染色体を構成するDNAが損傷している精子が増加してゆきます。こうした「精子の老化」とも呼べる変化により卵子との受精が難しくなり、自然妊娠率は低下します。
  3. 男性ホルモンの分泌が減少する。
    精巣には精子形成、性欲などと関連しているテストステロン(男性ホルモン)を分泌する役割もあります。
    加齢により精巣は少しずつ小さくなり、機能が低下、テストステロン濃度はゆっくりと減少してゆきます。

妊娠率の低下だけではない

男性の加齢により、精子の劣化のほか、テストステロン減少などの理由から性欲減退を引き起こすので妊娠率は低下します。イギリスの8589妊娠例で女性の年齢の影響を除外した調査では、男性が40歳以上の場合、30歳未満と比較して、1年以内に自然妊娠したカップルは30%少なかったと報告しています。
さらに、妊娠はしても、妊娠までの時間、流死産、早産、子どもの病気などとの関連もあるようです。妊娠までの時間は、男性の加齢により長くなる傾向があります。現在、「妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交をしているにもかかわらず、1年間妊娠しない場合」を不妊症と定義していますが、女性が25歳未満では、男性の年齢により不妊症に該当するカップルの概算割合は以下のように増加するという報告があります。

    • 25歳未満 8%
    • 25~29歳 9%
    • 30~34歳 12%
    • 35~39歳 17%
    • 40歳以上 19%

流死産、早産、先天奇形、子どもの病気とも関連

子どもの病気とも関連
流産に関しても、女性だけでなく男性の年齢が関係するようです。女性の年齢の影響を除外すると、男性が45歳以上では、25歳未満と比較して、自然流産が約2倍になるという報告があります。その他、死産、早産や合指症、内反尖足、口蓋裂、軟骨形成異常、神経管閉鎖不全、先天性白内障、先天性心疾患などの先天奇形のリスクも高くなると言われています。
染色体、遺伝子が関与するいくつかの子どもの病気も、男性の年齢と関連しているようです。例えば、男性が40歳以上では、30歳未満と比べダウン症が約5倍に、また加齢により子どもが統合失調症、自閉症、1型糖尿病、急性白血病、網膜芽細胞腫などの病気になるリスクが少し高くなるという報告があります。

生活習慣と妊孕能

現代人の精子数は世界的に減り続けていて、その中でも日本は最低レベルであると言われています。考えられる原因として、環境ホルモンや化学物質などの環境因子のほか、生活習慣も大きいことがわかってきました。
ストレス、食生活の乱れ、喫煙、過度の飲酒、睡眠不足、運動不足などの生活習慣は、体に活性酸素を溜めこむことで、細胞を傷つけ老化を促進するほか、精子のDNA損傷にもつながります。しかも糖尿病、高血圧、心臓病などの生活習慣病となれば治療薬を含めて精巣機能に影響を及ぼす可能性がさらに高くなります。無事に子どもが授かっても、子育て、将来の養育とも関係してくるでしょう。加齢による生理的な変化や環境ホルモンのある程度の曝露は避けられないにせよ、特に妊活中、近いうちに子づくりを考えている男性は、生活習慣を見直すことをおすすめします。

精子と遺伝子スイッチ

かつて、親から子に伝わる形質は、すべて遺伝子の配列に規定されると考えられていました。ところが、配列は同じでも、どの遺伝情報が子に発現するかは、妊娠前後の両親の生活環境や生活習慣によって変わり、子どもが生き抜いてゆくために最適な情報が選択されていることがわかってきました。この考え方をエピジェネティックスといい、各遺伝子情報の発現のオン・オフを決めるしくみは通称“遺伝子スイッチ”と呼ばれます。これまで女性の栄養状態や子宮内環境に関する研究が中心でしたが、最近になって、精子の遺伝子スイッチも注目を集めています。
以前は、精子の遺伝子スイッチは受精の前にすべてリセットされると考えられていました。ところが、デンマークのバレス博士が、肥満男性のスイッチを解析したところ、リセットされていないスイッチが2種類はあり、それが「食欲を増す」「脂肪を蓄積する」のスイッチでした。しかも、バレス博士は運動やダイエットにより、これらのスイッチを健康な状態にもどすことまでつきとめたのです。
NHKスペシャルで放送され反響を呼びましたが、バレス博士は、メタボ気味の男性に対し、子づくり前に毎日1時間の有酸素運動を6週間続け、メタボを改善し、同時に、精子の「メタボに関わる遺伝子スイッチ」を健康な状態に切り替えて、生まれてくる子どもに遺伝させようと、精子トレーニングを実施しています。
精子は形成されるのに74日かかります。メタボ気味や健康に自信がない方は、遅くても3カ月前から、子どもの健康を願って体づくりを心がけてください。

妊活は女性だけのものではない

妊活は女性だけのものではない
妊活では、食事や運動などで健康に心がけたり、禁煙したり、葉酸を摂るなどで、直接取り組むのは女性だけで、男性は女性をサポートする役割のようなイメージがありました。
今は、男性も積極的に取り組む必要があることがわかってきました。子どもの健康には、妊娠前からの両親の健康が大切です。子づくりをいい機会として、改めて、ふたりで健康づくりにとりくむようにしましょう。
最後に、妊娠には男性の年齢も大きく関係しています。これといった理由がなく子づくりを先延ばししているカップルは、今一度、ふたりで話しあい、早めにスタートが切れることを心より願っています。

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